犬は匂いを使って周りや相手を探索しますが、お尻を嗅ぐことでどんな情報をどこまで得ているのかは、外からは分かりません。
「犬同士でお尻の匂いを嗅ぎ合う」の意味
犬同士が出会うと、お互いのお尻をくんくんと嗅ぎ合う様子がよく見られます。人の感覚では少し気恥ずかしい光景ですが、犬は匂いを使って周りや相手のことを探っていると考えられています。お尻のまわりには肛門腺があり、その匂いを嗅いでいるとも言われますが、ひと嗅ぎでどんな情報を、どこまで受け取っているのかは、外から見て分かるものではありません。嗅ぎ合うときには、正面からまっすぐではなく、カーブを描くように近づき、横並びから後ろへ回り込んで嗅ぐ様子が見られることもあります。犬同士を挨拶させる場合は、まず相手の飼い主にも挨拶させてよいかを確認しましょう。そのうえで、リードは安全を保てる範囲でゆとりを持たせ、両方の犬の様子を見ながら短く終えるのがおすすめです。決まった秒数だけ我慢させるのではなく、どちらかが避ける、固まる、唸る、座り込んでお尻を隠す、逃げたがるといった様子を見せたら、明るく名前を呼んで距離を取ってください。一方だけがしつこく嗅ぎ続けて、相手が困っているときも同じです。また、お尻を嗅がれるのを極端に嫌がる子は、社交が苦手なこともあれば、肛門腺のトラブルなど肛門まわりの痛みが関わっていることもあります。
「行儀の悪い挨拶」と決めつける前に:他の原因との見分け方
お尻の嗅ぎ合いは出会った犬同士でよく見られますが、決まった秒数で安全かどうかは判断できません。両方の犬の様子を見て、一方的・長すぎる場合や、嗅がれる側が嫌がる様子には早めに距離を取りましょう。
状況別の読み解き方
💬 初対面の犬同士が順番に嗅ぎ合う
落ち着いて挨拶できていることもあります。どちらかが避けたり固まったりしないかを見ながら、短めに切り上げましょう。
💬 一方的に長く嗅ぎ続けて相手が嫌がっている
しつこい挨拶になっていることがあります。相手が固まったり離れようとしたりしたら、呼び戻してあげましょう。
飼い主ができる対策
1挨拶させる前に相手の飼い主に確認する
犬同士を挨拶させたいときは、まず相手の飼い主に「挨拶させても大丈夫ですか」と確認しましょう。相手の犬が犬同士の挨拶を苦手にしていることもあります。挨拶させる場合も、決まった秒数を目安にするのではなく、両方の犬の様子を見ながら短く終えてあげてください。
2リードは安全な範囲でゆとりを持たせる
挨拶中にリードがピンと張っていると、犬が思うように動けず、緊張につながることもあります。安全を保てる範囲でリードにゆとりを持たせ、カーブを描くような自然な近づき方を邪魔しないようにしましょう。すぐに離れられるよう、リードが絡まないことにも気をつけてください。
3「長すぎる・一方的」なら明るく切り上げる
一方だけがしつこく嗅ぎ続けて相手が困っているようなら、明るく名前を呼んで離すのがマナーです。挨拶は短く、お互いに嫌な思いをしないうちに終えるようにしましょう。
4嗅がれる側の「嫌サイン」を見逃さない
嗅がれている犬が固まる・唸る・座り込んでお尻を隠す・逃げたがるときは、嫌がっている可能性があります。無理に挨拶を続けさせず、距離を取らせてください。相性やその日の体調・気分によって、挨拶したくないときもあります。
5お尻を極端に嫌がるなら肛門周りのチェックを
いつも座り込んで隠す・嗅がれると悲鳴を上げる場合は、社交の苦手さだけでなく、肛門腺のトラブルなど痛みの可能性もあります。お尻歩きや舐める仕草がないか確認し、あれば受診してください。
注意したいケース
⚠️ 挨拶は、リードが絡まないうちに短く切り上げるようにしましょう。何秒までなら大丈夫という目安はないので、どちらかが避ける、固まる、逃げたがる様子を見せたら、すぐに距離を取ってください。
お尻の匂いを嗅がれるのを嫌がるとき
お尻を嗅がれて避ける理由には、接近への不安や体の違和感なども考えられます。
「お尻を嗅がれるのを嫌がる・座って隠す」が見られる場面
犬同士の挨拶でお尻を嗅がれるのを避け、座り込んだりしっぽで隠したりする様子は、相手が近づいてくることに不安を感じている場面などで見られることがあります。お尻の匂いを嗅ぎ合うのは犬同士でよく見られる挨拶ですが、自然なことだからと我慢させる必要はありません。社会経験の少ない犬や、控えめな様子の犬で見られることもあり、離れたがったら距離を取ってあげましょう。愛犬の体を押さえて相手に嗅がせるのは避けてください。一方で、以前は平気だったのに急にお尻を触られる・嗅がれるのを嫌がるようになった場合は、体の違和感が関わっていることもあります。肛門腺(お尻の左右にある分泌袋)が詰まって腫れている、炎症を起こしている、お尻周りに痛みがあるといったケースでは、その部位に触れられること自体が不快になることがあります。お尻歩き(床にこすりつけて進む)、しきりに舐める、腫れや赤み、座り方や排泄の変化といったほかのサインがないかも確認しましょう。
すぐ受診すべきサイン
次のいずれかに当てはまる場合は、様子見をせず当日中に動物病院へ連絡してください。
🚨 お尻周りが赤く腫れている・しこりがある
🚨 肛門の横が腫れて破裂し、出血や膿が出ている(肛門嚢破裂の疑い)
🚨 お尻歩きや肛門を舐める行動が急に増えた
🚨 お尻を触ると強く痛がる・鳴く
🚨 便が出にくそう・排便時に痛がる
まとめ
🐶 お尻の嗅ぎ合いは出会った犬同士でよく見られますが、どんな情報をどこまで得ているかは外からは分かりません。
🐶 まずは相手の飼い主に確認し、両方の犬の様子を見ながら短く終えるのがおすすめです。
よくある質問
Q. 犬同士がお尻を嗅ぎ合うのはなぜですか?
A. 犬は匂いを使って周りや相手を探索すると考えられていて、お尻のまわりにある肛門腺の匂いを嗅いでいるとも言われます。ただ、どんな情報をどこまで得ているかは外からは分かりません。挨拶させるときは相手の飼い主にも確認し、両方の様子を見ながら短く終えましょう。
Q. 挨拶の時、リードはどうすればいいですか?
A. 安全を保てる範囲でゆとりを持たせてください。ピンと張ったリードは犬の動きを妨げ、緊張につながることもあります。自然な近づき方を邪魔しないようにしつつ、すぐ離れられるよう絡まりにも気をつけ、どちらかが嫌がる様子を見せたら距離を取りましょう。
Q. うちの犬はお尻を嗅がれるのを嫌がって座り込みます。
A. 社交が苦手な性格のこともありますが、毎回極端に嫌がるなら肛門腺のトラブルなど肛門周りの痛みの可能性もあります。お尻歩き・舐める仕草・排便時の様子をあわせて確認し、心当たりがあれば受診してください。無理に挨拶させる必要はありません。
関連する行動もチェック
この行動とあわせて見られることが多い行動です。あわせて読むと、犬同士の挨拶を見守るときの参考になります。
📚 参考:日本獣医動物行動学会(行動診療を行う動物病院の地域別一覧あり)/PS保険(獣医師解説・犬のおしり歩きの原因)
※本記事は一般的な動物行動学の知見に基づく参考情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の体調や行動に不安がある場合は、必ず獣医師にご相談ください。



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