犬がお尻を床にこすりつける原因は?お尻歩きと肛門腺の注意点

お尻を床にこすりつけて進む行動には、肛門周囲の違和感やかゆみが関係することがあります。

「お尻を床にこすりつけて進む」ときに考えられること

座ったままお尻を床にズリズリとこすりつけて前進する、通称「お尻歩き(スクーティング)」は、肛門周りの違和感やかゆみが関わっていることがあります。ユーモラスな動きに見えますが、体の不調を知らせているかもしれないので、しぐさとしてではなく健康面から見てあげたい行動です。考えられることのひとつが肛門腺の問題です。肛門の左右には匂いの分泌物を溜める袋(肛門腺)があり、本来は排便のときに一緒に出ていきますが、うまく出せずに溜まると不快感につながることがあります。溜まった状態が続くと炎症や化膿につながり、皮膚が破れて処置が必要になることもあります。ただ、原因は肛門腺だけとは限りません。寄生虫(便に白い粒が混じる条虫など)、お尻周りの皮膚の炎症、下痢の後の汚れの付着なども考えられ、動きだけでどれかを決めることはできません。繰り返す、お尻を舐める、肛門周りが赤い・腫れている・出血している・痛がるといった様子があれば、動物病院へ相談してください。炎症が疑われるお尻を自宅で強く絞ったり、何度もこすって拭いたりすると、かえって傷つけてしまうことがあります。

⚠️ 肛門周りの赤み・腫れ・出血があるときは、トリミングで絞ってもらうより先に、動物病院で診てもらいましょう。

「おもしろい癖」と決めつける前に:お尻と便の様子で確認したいこと

ユーモラスに見えても、お尻歩きには肛門周りの違和感やかゆみが関わっていることがあります。肛門腺・汚れ・皮膚の炎症・寄生虫など背景はさまざまなので、繰り返すなら受診を。

🐕 時々お尻をこすって歩く・お尻を舐める

併せて見られること:肛門周りに異常は見えない

考えられること:肛門腺の溜まり、汚れ、皮膚のかゆみなど

→ 繰り返すなら動物病院で確認

🐕 肛門周りが赤い・腫れている・強い臭い

併せて見られること:触られるのを嫌がる

考えられること:肛門腺や周りの皮膚の炎症など

→ 早めに受診

🐕 便に白い粒・米粒状のものが付いている

併せて見られること:お尻を気にする

考えられること:条虫など寄生虫の可能性

→ 便を持って動物病院へ相談

🐕 下痢や軟便の後にお尻をこする

併せて見られること:お尻周りが汚れている

考えられること:汚れによる違和感のことも

→ こすりすぎずに汚れを落とし、続く軟便は相談

🐕 お尻歩きに加えて排便時に痛がる・出血

併せて見られること:便が細い・出にくそう

考えられること:肛門周囲の炎症や別の病気の可能性

→ 早めに動物病院で診てもらう

状況別の読み解き方

💬 時々やる・肛門腺絞りをしばらくしていない

肛門腺が溜まっていることもあれば、汚れや皮膚のかゆみのこともあります。赤み・腫れ・出血があるときはトリミングではなく動物病院で相談しましょう。

💬 頻繁にやる・お尻を舐める・お尻から匂いがする

肛門腺や周りの皮膚に炎症が起きていることもあります。自宅で絞ろうとせず、早めに受診してください。

飼い主ができる対策

1繰り返すなら動物病院で原因を確認してもらう

お尻歩きには肛門腺の溜まりが関わることがありますが、汚れや皮膚の炎症、寄生虫なども考えられます。繰り返すようなら動物病院で原因を確かめてもらい、肛門腺が溜まっていればその場で相談しましょう。

2自宅で無理に絞らない

肛門腺絞りは力加減と方向にコツがあり、自己流で強く絞るとお尻を傷つけてしまうことがあります。赤みや腫れがあるときは、絞ったり何度も拭いたりせず動物病院へ。自宅でのケアを考えている場合は、まずかかりつけで正しいやり方を教わってください。

3お尻周りの状態を観察する

肛門周りの赤み・腫れ・出血・強い臭い、便に白い粒が混じっていないかを見てあげてください。腫れや出血は炎症のこともあり、白い粒は寄生虫の可能性もあるため、どちらも動物病院へ相談を。嫌がるときは無理に触らず、見える範囲で確認しましょう。

4下痢や軟便が続くなら便の管理から

軟便が続くとお尻が汚れやすく、違和感につながることがあります。肛門腺の分泌物も出にくくなることがあると言われます。便の状態を整えることはお尻のケアにもつながるので、食事を見直す前に、軟便が続く理由を動物病院で相談してください。

5ケアの間隔はかかりつけと相談して決める

肛門腺の溜まりやすさは個体差が大きく、こまめなケアが合う子から、ほとんど必要ない子までさまざまです。お尻歩きが出た日や間隔をメモしておき、その子に合ったケアの間隔をかかりつけで相談してください。

すぐ受診すべきサイン

次のいずれかに当てはまる場合は、様子見をせず当日中に動物病院へ連絡してください。

🚨 肛門の横が大きく腫れている・破れて出血や膿が出ている(肛門腺が破れていることも)

🚨 排便のたびに強く痛がる・鳴く

🚨 肛門周りを痛がって触らせない・元気や食欲も落ちている

🚨 便に血が混じる状態が続く

まとめ

🐶 お尻歩きは肛門周りの違和感やかゆみと関わることがあり、肛門腺だけでなく汚れや皮膚の炎症、寄生虫なども考えられます。

🐶 まずはお尻周りと便の様子を見て、繰り返すときや赤み・腫れがあるときは動物病院へ相談するのがおすすめです。

🐶 気になる変化が続く場合は、様子見せず獣医師に相談を

よくある質問

Q. 犬がお尻を床にこすって歩くのはなぜですか?

A. 肛門周りの違和感やかゆみが関わっていることがあります。肛門腺(肛門の左右にある袋)に分泌物が溜まっている場合のほか、寄生虫、お尻周りの皮膚の炎症、汚れの付着なども考えられます。動きだけでは原因が分からないので、繰り返す場合は動物病院で確認してもらってください。

Q. 肛門腺は自宅で絞ってもいいですか?

A. 慣れないうちはおすすめしません。力加減を誤ると、お尻を傷つけることがあります。赤み・腫れ・出血・痛がる様子があるときは、自宅でもトリミングでもなく動物病院へ。自宅でのケアを考える場合は、かかりつけで方法を教わってからにしましょう。

Q. お尻歩きを放っておくとどうなりますか?

A. 肛門腺に分泌物が溜まったままだと、炎症や化膿につながり、皮膚が破れてしまうこともあります。そうなると処置が必要になる場合もあるため、繰り返すお尻歩きは早めに動物病院へ相談しましょう。

関連する行動もチェック

この行動とあわせて見られることが多い行動です。あわせて読むと、体のサインに気づくヒントが増えます。

🐕 この症状が気になる場合は、まず普段との違いや体調を確認し、必要に応じて獣医師へ相談してください。

📚 参考:PS保険(獣医師解説・犬のおしり歩きの原因)/日本獣医動物行動学会(行動診療を行う動物病院の地域別一覧あり)

※本記事は一般的な動物行動学の知見に基づく参考情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の体調や行動に不安がある場合は、必ず獣医師にご相談ください。

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