犬が何も食べていないのに口をくちゃくちゃ・もぐもぐさせるときは、吐き気、歯や口の中の違和感、緊張、子犬の歯の生え変わりなどが考えられ、発作のこともあります。様子を見てよいケースと、早めに動物病院へ相談したいサインを確認しましょう。
犬が口をくちゃくちゃ・もぐもぐさせるときに考えられる原因
🐾 吐き気・胃の不快感:空腹が続いた朝方、車の中、食後などに、よだれや飲み込む仕草と一緒に。
🐾 歯や口の中の違和感:歯周病、口内炎、歯が欠けた、歯に物が挟まった、上あごに異物が張り付いたなど。
🐾 歯の生え変わり:子犬の乳歯が永久歯に生え変わる時期(生後4〜7か月ごろ)。
🐾 緊張やストレス:あくびや鼻舐めと一緒に、苦手な場面でだけ出る。
🐾 眠っている間の動き:寝ているときだけ口が動き、起きると止まる。
🐾 発作など神経の問題:呼びかけへの反応が鈍い、毎回同じような動きを繰り返す(見分け方)。
何も食べていないのに、口をくちゃくちゃ・もぐもぐと動かし続けるときは、吐き気や口の中の違和感などが関わっていることがあります。「なんとなく気持ち悪い」くらいの不調から、急いで対応したいものまで、背景は幅広く見逃したくないサインです。気分が悪いと唾液が増え、それを飲み込もうとして口が動くことがあり、草を食べたがる・よだれ・ゴクゴク飲み込む仕草が一緒に見られることも。空腹の時間が長いとき、胃腸の不調、食べ過ぎなどが背景にあることもあります。口の中では、歯周病や口内炎の痛み、歯に挟まった物、上あごに張り付いた薄い異物(ガムや葉っぱ)などの違和感で口を動かすことがあり、前足で口をこする仕草を伴うこともあります。緊張する場面で、あくびや鼻舐めと一緒に見られることもあります。ほかに神経の問題が関わることもあり、年齢や口の動きだけで原因を決めることはできません。食事との関係、よだれ、反応の変化を記録し、続く場合は動画を見せて相談してください。嫌がる口を無理に開けて確かめるのは避けましょう。「くちゃくちゃ+よだれが多い+元気がない」ときは、中毒や誤飲のこともあるため、様子を見ずに受診が必要です。
発作との見分け方:呼びかけに反応するか
てんかんなどの発作には、全身がけいれんするものだけでなく、体の一部だけに症状が出るものもあり、口をくちゃくちゃ・ガムを噛むように動かす形で現れることもあるとされています。次のような様子があるときは、発作の可能性も考えて動物病院へ相談してください。
- 名前を呼んだり、そっと触れたりしても反応が鈍い・目がうつろ
- 毎回同じような口の動きが、数秒〜数分続いて止まる
- 口の動きと一緒に、顔や唇がぴくぴくする、よだれが急に増える
- 終わったあと、しばらくぼんやりしている・ふらつく
発作のように見えるときは、口元に手を近づけると咬まれることがあるので、口に触れたり止めようとしたりせず、周りの危ない物をどけて見守ります。続いた時間を測り、スマートフォンで動画を撮っておくと、受診のときに大きな手がかりになります。けいれんが止まらない、何度も繰り返す場合は、すぐに動物病院へ連絡してください。
子犬・老犬・寝ているときのくちゃくちゃ
💬 子犬が口をくちゃくちゃする
生後4〜7か月ごろは乳歯が抜けて永久歯に生え変わる時期で、歯ぐきがむずがゆく、口をもぐもぐさせたり物をかじりたがったりすることがあります。元気や食欲があれば、かじってよいおもちゃを用意して様子を見ます。乳歯が抜けずに残っている、口から血が続く、食べにくそうなときは受診してください。
💬 老犬が口をくちゃくちゃする
年齢とともに歯周病や歯のぐらつき、口の中のできものが増えるほか、発作が初めて出ることもあります。口臭が強くなった、片側で噛む、食べこぼしが増えたなどの変化とあわせて、早めに受診して口の中を診てもらいましょう。
💬 寝ているときだけ口をもぐもぐする
眠っている間に口や足が動くことはあり、目を覚ますとすぐ止まって、ふだんどおり過ごせるなら様子を見てかまいません。起きても続く、呼んでも反応が鈍い、よだれが増えるといった場合は、動画を撮って相談してください。
「癖」と決めつける前に:一緒に見られる様子の確認
口の動きには吐き気・口の中の違和感・緊張・神経の問題などさまざまな背景があり、動きだけでは決められません。よだれや元気の低下を伴う場合は、中毒・誤飲のこともあります。
状況別の読み解き方
💬 車の中や食後にくちゃくちゃする
吐き気が関わっていることもあります。よだれやそわそわが一緒に見られるか、吐くことがあるかを見てあげましょう。
💬 食事中や食後に片側だけで噛む・食べこぼす
歯の痛みや口の中の違和感のこともあります。嫌がらない範囲で口の中や口臭を確かめ、続くなら受診を。
💬 寝ぼけながらもぐもぐしている
眠っている間に口が動くこともあります。起きているときにも続く、よだれが増えるといった様子があれば、動画に撮って相談しましょう。
飼い主ができる対策
1一緒に見られる様子を記録する
よだれ・飲み込む仕草・草を欲しがるなら吐き気、前足で口をこする・食べにくそうなら口の中の違和感、緊張する場面だけなら緊張が関わっていることがあります。ただ、口の動きだけで原因は決められません。どんな様子が一緒に出ているか、食事との関係もあわせてメモしておきましょう。
2口の中は嫌がらない範囲で見る
嫌がらなければ唇をそっとめくり、歯茎の赤み・出血・歯に挟まった物・上あごに張り付いた異物がないか見てください。嫌がる口を無理に開ける必要はありません。刺さっている物や取れそうにない物は無理に取らず、病院へ。口臭の強さも手がかりになります。
3空腹の時間帯に多いなら食事の与え方を相談する
早朝や夕方の空腹の時間帯にくちゃくちゃする、黄色い液を吐くといった場合は、空腹の時間が長いことが関わっていることもあります。胃腸の病気などでも似た様子が出ることがあるため、食事の回数やタイミングを変える前に、かかりつけで相談してください。
4「くちゃくちゃ+よだれ+元気がない」は即受診
この組み合わせは中毒や誤飲のこともあります。何かを口にした心当たり(散歩中・留守番中)を思い出し、様子見せずに病院へ連絡してください。口にした物が分かれば、その情報や残りも持参を。
5続く場合は動画を撮って受診する
診察室では収まっていることもある行動です。くちゃくちゃの様子・頻度・タイミング(食前食後)を動画とメモにして受診すると、獣医師に様子を伝えやすくなります。
注意したいケース
⚠️ 元気がない、呼吸が苦しそう、何かを口にした心当たりがある場合は、口の中を確かめるより、速やかに動物病院へ連絡することを優先してください。
ほかにも、吐こうとしているのに何も出ずお腹が張ってきた、くちゃくちゃが止まらず繰り返す、よだれに血が混じる、顔が腫れている、呼びかけへの反応が鈍い、食欲が落ちたといったときは、様子を見ずに早めに受診してください。
まとめ
🐶 何も食べていないのに口を動かすのは、吐き気や口の中の違和感などさまざまな背景があり、動きだけで原因は決められません。
🐶 まずはよだれや食事との関係を記録し、続くときは動画を見せて相談するのがおすすめです。
🐶 呼びかけへの反応が鈍い、毎回同じ動きを繰り返すときは発作のこともあります。気になる変化が続く場合は、様子見せず獣医師に相談を。
よくある質問
Q. 犬が何も食べていないのに口をくちゃくちゃするのはなぜ?
A. 吐き気(唾液を飲み込もうとしている)、口の中の違和感(歯周病・異物など)、緊張などが考えられ、神経の問題が関わることもあります。よだれや飲み込む仕草を伴うなら吐き気、前足で口をこするなら口の中の違和感のこともありますが、動きだけで原因は決められません。続く場合は動画を撮って相談してください。
Q. 子犬がよく口をくちゃくちゃしています。大丈夫ですか?
A. 生後4〜7か月ごろは乳歯から永久歯への生え変わりの時期で、歯ぐきがむずがゆく口を動かすことがあります。元気や食欲があれば、かじってよいおもちゃを用意して様子を見ましょう。乳歯が抜けずに残っている、出血が続く、食べにくそうなときは受診してください。
Q. 朝方にくちゃくちゃして黄色い液を吐きます。
A. 空腹の時間が長いことが関わっている場合もあります。食事の回数やタイミングを変えるときは、自己判断ではなくかかりつけに相談してからにしましょう。頻繁に続く、食欲が落ちる、元気がないといった場合は、胃腸の病気なども考えられるため受診してください。
Q. 急にくちゃくちゃが始まって、よだれも出ています。
A. 中毒や誤飲、口の中の異物のこともあります。散歩や留守番中に何かを口にした心当たりがないか思い出し、元気がない・ふらつく・呼吸が苦しそうなときは様子を見ずに病院へ連絡してください。嫌がる口を無理に開けて確かめる必要はありません。
関連する行動もチェック
この行動とあわせて見られることが多い行動です。あわせて読むと、口まわりの変化を比べやすくなります。
🐕 この症状が気になる場合は、まず普段との違いや体調を確認し、必要に応じて獣医師へ相談してください。
📚 参考:アニコム損保「犬との暮らし大百科」(獣医師監修・犬の歯周病)/日本獣医動物行動学会(行動診療を行う動物病院の地域別一覧あり)
※本記事は一般的な動物行動学の知見に基づく参考情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の体調や行動に不安がある場合は、必ず獣医師にご相談ください。



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