犬が首をかしげるのはなぜ?理由と頭の傾きが続く場合の注意点

犬が首をかしげる理由は、まだ一つに解明されていません。

「話しかけると首をかしげる」理由として考えられていること

話しかけると首をコテンとかしげる、あの愛おしいしぐさ。理由には諸説あり、今のところ一つには絞られていません。2021年のハンガリーの研究では、おもちゃの名前を学ぶ課題で、たくさんのおもちゃの名前を覚えた犬とそうでない犬の首かしげの頻度を比べ、名前を覚えた犬のほうがよく首をかしげていたと報告されています。この研究では、かしげる向き(左右)がその犬ごとにほぼ一定だったことも示されました。ただし、特定の課題と対象犬での探索的な結果であり、日常の首かしげが言葉を理解しているしるしとまでは言えません。首をかしげるすべての犬に、同じ説明が当てはまるわけでもないのです。ほかにも、音の方向や距離をつかむため、あるいは前に突き出たマズル(口先)が視界を遮るのを避けて飼い主の口元や表情を見るため、といった説があります。どれも仮説の一つとして、愛犬のしぐさを楽しんであげてください。一方で、一瞬かしげて戻るしぐさと違い、頭が傾いたまま元に戻らない「斜頸(しゃけい)」や、ふらつき・目の揺れを伴う場合は、耳の病気や神経・平衡感覚の異常が関わっていることがあります。その場合はかわいいしぐさとして見守らず、動物病院で相談しましょう。

「可愛いしぐさ」と決めつける前に:頭の傾きとの違い

「一瞬かしげて戻る」しぐさと、「傾いたまま戻らない」頭の傾き(斜頸)は分けて考えます。戻るかどうかに加えて、ふらつきや目の揺れがないかもあわせて見てください。

🐕 話しかけると一瞬かしげて、すぐ元に戻る

併せて見られること:知っている単語で反応・元気

考えられること:声や言葉に注意を向けていることも

→ ほかに変化がないかも見ておく

🐕 初めて聞く音や電子音にかしげる

併せて見られること:耳を向ける・音源を探す

考えられること:音の方向や正体を確かめようとしていることも

→ 驚かせないよう見守る

🐕 頭が片側に傾いたまま戻らない

併せて見られること:ふらつく・まっすぐ歩けない・目が揺れる

考えられること:前庭疾患・耳や神経の病気の疑い

→ 早めに受診(動画を持って)

🐕 頭を傾け、しきりに耳をかく・頭を振る

併せて見られること:耳が臭う・赤い・耳垢が多い

考えられること:外耳炎・中耳炎の可能性

→ 早めに受診

🐕 高齢犬で急に頭が傾いた・ぐるぐる回る

併せて見られること:食欲低下・嘔吐・元気消失

考えられること:前庭疾患や脳の病気の可能性

→ 当日〜早めに受診

状況別の読み解き方

💬 「散歩」「おやつ」など知っている単語で首をかしげる

聞き慣れた言葉に注意を向けていることがあります。おもちゃの名前をたくさん覚えた犬ほどよく首をかしげたという研究もありますが、理由はまだ一つに決まっていません。

💬 初めて聞く音や電子音に首をかしげる

音のする方向や正体を確かめようとしていることがあります。

飼い主ができる対策

1首かしげが出たら、楽しい声かけの時間にする

知っている単語(散歩・おやつ・名前など)で首をかしげるときは、声や言葉に注意を向けていることがあります。意味まで分かっているとは限りませんが、話しかけると反応してくれるのはうれしいものです。穏やかに語りかけて、こちらを見てくれたら褒めてあげると、楽しいやりとりの時間になります。

2語彙を増やす遊びで知的な関わりを楽しむ

おもちゃや行動に一貫した名前をつけて繰り返すと、言葉を覚える犬もいます。「ボール持ってきて」「マットに乗って」など、名前と行動をセットで教える遊びは、愛犬が頭を使う良い刺激になります。上達を焦らず、できたら大げさに褒めましょう。

3口元が見えるように正面から話しかける

犬は飼い主の口元や表情も手がかりにしている、という説があります。しゃがんで正面から、はっきりした口調で話しかけると、愛犬もこちらに注目しやすくなります。マズルで口元が見えにくいという説もあるので、目線の高さを合わせて話しかけてみるのも一つの方法です。

4「可愛い首かしげ」と「戻らない頭の傾き」を区別する

話しかけた時に一瞬かしげてすぐ戻るしぐさと、頭が傾いたまま元に戻らない・常に片側に傾いている状態は分けて考えます。後者は斜頸と呼ばれ、病気が関わっていることがあります。すぐ戻る場合でも、ふらつきや目の揺れ、食欲の変化があれば相談してください。

5ふらつき・目の揺れを伴うならすぐ受診する

頭の傾きに加えて、ふらつく・まっすぐ歩けない・目が左右や上下に細かく揺れる(眼振)・ぐるぐる回る・食欲がないなどがあれば、前庭疾患(平衡感覚の異常)や中耳・内耳の炎症、脳の病気の可能性があります。様子を動画に撮って、早めに受診してください。

6繰り返す外耳炎がある子は耳のケアを見直す

耳の奥の炎症は、斜頸やバランスの異常につながることがあります。耳を頻繁にかく・頭を振る・耳が臭うなどがある子は、外耳炎を繰り返していないか確認を。日頃の耳のチェックとケア、獣医師の指導に沿った洗浄が、こうしたトラブルを防ぐ助けになります。

注意したいケース

⚠️ 首をかしげたまま戻らない・ふらつき・目が揺れる(眼振)を伴う場合は、前庭疾患や耳の病気の可能性があります。「可愛い首かしげ」と「頭が傾いたまま」は分けて考え、様子見を続けずに動物病院へ相談してください。

まとめ

🐶 首をかしげる理由はまだ一つに決まっておらず、研究の結果もすべての犬に当てはまるわけではありません。

🐶 まずは一瞬で戻るかどうかと、ふらつき・目の揺れがないかをあわせて見て、傾きが続くときは相談するのがおすすめです。

よくある質問

Q. 犬が首をかしげるのはなぜですか?

A. 理由はまだ一つに解明されていません。聞き慣れた言葉や音に注意を向けているとき、音の方向をつかもうとしているとき、口元や表情を見ようとしているときなど、いくつかの説があります。どれか一つに決めず、場面とあわせて見てあげてください。

Q. 首かしげは頭が良い証拠ですか?

A. そうとは言えません。おもちゃの名前を学ぶ課題で首かしげの頻度を比べた探索的研究では、名前をたくさん覚えた犬のほうがよく首をかしげていましたが、特定の課題と対象犬での結果です。名前と行動をセットで教える遊びは、賢さを測るためではなく、愛犬との関わりを楽しむ時間として取り入れてみてください。

Q. 首をかしげたまま戻らないのは病気ですか?

A. 病気が関わっていることがあるので注意が必要です。一瞬かしげてすぐ戻るしぐさと違い、頭が傾いたまま戻らない「斜頸」は、耳の病気や前庭疾患(平衡感覚の異常)、脳の病気などで見られることがあります。ふらつき・目の揺れ・ぐるぐる回るなどを伴う場合は、早めに受診してください。

関連する行動もチェック

この行動とあわせて見られることが多い行動です。あわせて読むと、音や声に注意を向けるしぐさを比べやすくなります。

🐕 愛犬の様子に目を配りながら、一緒のお出かけも楽しみましょう。

店内ペット同伴OKのお店を探す

わんグルは店内ペット同伴OKのお店だけを集めた検索サイトです

📚 参考:An exploratory analysis of head-tilting in dogs(2021・首かしげと言葉学習の研究)/日本獣医動物行動学会(行動診療を行う動物病院の地域別一覧あり)

※本記事は一般的な動物行動学の知見に基づく参考情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の体調や行動に不安がある場合は、必ず獣医師にご相談ください。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。