マウンティングは、性的な場面以外にも、気持ちが高ぶったときや相手とのやり取りの中などで見られることがあります。
「マウンティングする(乗りかかる)」の意味
他の犬に乗りかかって腰を振る、クッションやぬいぐるみを相手に始める、ときには飼い主の足にも——マウンティングは、性的な場面に限らず、遊びが盛り上がったときや来客で気持ちが高ぶったとき、ストレスや葛藤を感じていそうなときなどにも見られることがあります。飼い主としては気まずくなりやすい行動ですが、去勢済みのオスやメス、子犬でも見られることがあります。誰に何をしているかだけで、上下関係を決めることはできません。相手との距離や、食べ物・休む場所などその場の状況を確認し、困る場面を減らす環境づくりと、別の行動に切り替える練習をしていきましょう。対応の基本は、騒がず落ち着いて中断させ、気持ちが高ぶるきっかけを調整することです。大きな声で騒ぐと注目されること自体が続けるきっかけになったり、叱ることで愛犬の葛藤を強めたりすることもあります。犬同士の場面では、相手の犬が嫌がったりトラブルにつながったりすることがあるので、相手が離れたがる様子を見せたら接触を止め、安全に距離を取ってください。クッションやぬいぐるみへのマウンティングは、退屈や興奮が関わっていることもあります。未去勢のオスがメスの匂いに反応して何度も行う場合は性的な動機が関わっていることもあり、生活に支障があるなら、去勢やストレス面について獣医師へ相談するのも選択肢です。急に回数が増えた、体を気にする様子があるといった場合は、行動の練習より先に体調面も確認しましょう。
「性的な問題行動」と決めつける前に:他の原因との見分け方
マウンティングは性的な場面に限らず、興奮やストレスが高まった場面でも見られることがあります。騒がずに中断し、どんな場面で起きたかを確認してください。
状況別の読み解き方
💬 ドッグランで興奮が高まった時に出る
気持ちが高ぶっていることがあります。相手が嫌がる前に呼び戻して、少し休ませてあげましょう。
💬 特定の相手にだけ執拗にする
この動きだけで、人や犬との上下関係を判断することはできません。相手との距離、食べ物や休息場所などの状況を確認し、困る場面を減らす環境作りと別の行動の練習を行います。相手が離れたがるときは、すぐに接触を止めてあげてください。
💬 来客のたびに人の足にする
気持ちの高ぶりや、注目してもらえた経験が関わっていることもあります。静かに離して、おすわりなど別の行動に切り替えましょう。
飼い主ができる対策
1騒がず淡々と中断させる
マウンティングに「キャー」と騒ぐと、注目されること自体が続けるきっかけになることがあり、強く叱ると葛藤を強めてしまうこともあります。「おいで」やおもちゃで落ち着いて誘って中断し、別の行動に切り替えさせてあげましょう。
2どんな場面で起きるかを記録する
マウンティングは興奮やストレスが高まった場面で見られることがあります。遊びの盛り上がり・来客・環境の変化など、どんな場面で出るかを記録すると、きっかけが見えてくることがあります。行動を止めるだけでなく、きっかけになっている状況のほうを調整していきましょう。
3犬同士の場面では早めに介入する
犬同士のマウンティングは、相手の犬が嫌がったり、けんかのきっかけになったりすることがあります。ドッグランで自分の犬が始めたら、早めに呼び戻して中断を。逆に乗られている側なら、相手の飼い主と協力して距離を取らせてください。
4運動や遊びの時間を見直す
クッション相手のマウンティングが日課のようになっているなら、運動や知的刺激が足りていないことが背景にあるかもしれません。散歩の内容や遊びの時間を見直すと、落ち着いて過ごせる時間が増えることもあります。
5執拗すぎる場合は去勢とストレスの相談を
未去勢のオスがメスの匂いに反応して何度も行う場合は、性的な動機が関わっていることもあります。回数が多く生活に支障があるなら、去勢の効果とストレス要因について獣医師に相談してください。去勢ですべて解決するとは限らないため、愛犬に合わせて個別に考えてもらうことが大切です。
注意したいケース
⚠️ 未去勢のオスで何度も続く場合は、ホルモンの影響が関わることもあります。急に増えた、体を気にする様子がある場合は、ストレスだけでなく泌尿器まわりの違和感などが隠れていることもあるため、動物病院で体調を確認してもらいましょう。
まとめ
🐶 マウンティングは性的な場面に限らず見られ、この動きだけで上下関係を決めることはできません。
🐶 まずは騒がず落ち着いて中断させ、どんな場面で起きたかを確かめるところから始めるのがおすすめです。
よくある質問
Q. 去勢しているのにマウンティングするのはなぜですか?
A. マウンティングは性的な場面に限らず、遊びの盛り上がりや来客、ストレスなどで気持ちが高ぶったときにも見られることがあるためです。去勢済みのオスやメス、子犬でも見られます。騒がずに中断し、きっかけになった状況を調整してください。急に増えたときは体調面も確認しましょう。
Q. 他の犬にマウンティングして困ります。
A. 犬同士では相手が嫌がったり、トラブルにつながったりすることがあります。興奮が高まってきた段階で早めに呼び戻し、少し休む時間を挟んでください。相手が離れたがる場合はすぐに接触を止め、相手の犬と飼い主への配慮として距離を取りましょう。
Q. ぬいぐるみへのマウンティングはやめさせるべき?
A. たまに見られる程度なら、慌てて止めなくてよいこともあります。日課のようになっているなら退屈や運動不足が関わっているかもしれないので、散歩と遊びの時間を見直してみてください。騒いだり罰したりはせず、始まったら落ち着いて別の遊びに誘いましょう。急に増えた場合は、体調やストレス面の相談を。
関連する行動もチェック
この行動とあわせて見られることが多い行動です。あわせて読むと、犬同士の関わり方を見守るときの参考になります。
📚 参考:日本獣医動物行動学会(行動診療を行う動物病院の地域別一覧あり)/AVSAB(米国獣医動物行動学会)Position Statements/AVSAB:Dominance Position Statement
※本記事は一般的な動物行動学の知見に基づく参考情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の体調や行動に不安がある場合は、必ず獣医師にご相談ください。



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