人に会ったときや撫でられたときのお漏らしは、興奮したり緊張したりする場面で見られることがあります。
「お迎えの時や撫でられた時におしっこが漏れる(うれしょん)」が起きやすい場面
帰宅して「ただいま!」と撫でた瞬間、じわっとおしっこが漏れている。来客が覗き込んだとき、体を低くしながらチョロチョロ——いわゆる「うれしょん」は、興奮したり緊張したりする場面で見られることがあります。うれしさで気持ちが高ぶったときに漏れる様子は、若い犬で見られることもあります。体を低くする、お腹を見せる、耳を倒すといった姿勢と一緒に漏れる場合は「服従性排尿」と呼ばれることもありますが、この姿勢だけで人との上下関係を判断することはできません。どちらの場合も、わざとの行動と考えて叱らないでください。叱られる経験が重なると、緊張する場面が増えてしまうこともあります。対策の軸は、興奮や緊張が高まりにくい出迎え方です。帰宅直後は愛犬が落ち着くまで待つ、覗き込まず体を斜めにして声かけや近づき方を穏やかにする、必要なら挨拶の前に排泄できる機会を作る、といった工夫を重ねていきましょう。若い犬では成長とともに落ち着いていくこともあります。ただし、挨拶以外の場面でも漏れる、急に始まった、尿の回数や色など様子が変わった場合は、感情だけの問題とせず、膀胱炎など体の問題も含めて動物病院へ相談してください。
「しつけの失敗」と決めつける前に:体の問題も含めた確認ポイント
うれしょんは叱って直すものではありません。挨拶の場面だけで起きるのか、ほかの場面でも漏れるのかを分けて見ると、出迎え方の工夫を続けるか、動物病院へ相談するかを考えやすくなります。
状況別の読み解き方
💬 帰宅時の出迎えで漏れる
興奮した場面で漏れていることがあります。帰宅してすぐは声をかけず、愛犬が落ち着いてから挨拶してみましょう。
💬 上から手を伸ばされた時・叱られた時に漏れる
緊張しているのかもしれません。姿勢を低くして横から穏やかに接し、叱るのは控えましょう。
💬 成犬になっても頻度が減らない・悪化している
膀胱や尿道など体の問題が隠れていることもあるため、一度動物病院へ相談を。
飼い主ができる対策
1叱らずに淡々と片付ける
うれしょんをしてしまっても、叱らずに淡々と片付けるのが基本です。叱られることで緊張が強まり、かえって漏れる場面が増えることもあります。片付けたら、次の挨拶を穏やかにすることに気持ちを向けてください。
2出迎えを「あっさり」に変える
興奮が高まる場面で漏れやすいことがあります。帰宅直後は目を合わせず構わず、愛犬が落ち着いてから静かに挨拶してください。家族みんなで同じ出迎え方にそろえると、愛犬も落ち着きやすくなります。
3挨拶の姿勢を「圧の低い形」にする
正面から覗き込む・頭上から手を伸ばす・高い声で話しかけるのは、興奮や緊張を高めることがあります。体を斜めにしてしゃがみ、低いトーンで、胸元から撫でるようにしてみてください。来客には、相手との距離をとってもらうなど、困る場面を減らす工夫をお願いしておくと安心です。
4挨拶の場所をトイレや外にする
様子を見ている間の工夫として、帰宅後の挨拶をトイレシートの上や玄関の外で行うと、漏れても片付けやすくなります。挨拶の前に排泄できる機会を作っておくのもひとつの方法です。
5挨拶以外でも漏れるときは体の問題も考える
挨拶の場面以外でも漏れる・頻尿・血尿・寝ている間に漏れるといった場合は、膀胱炎や尿失禁など体の問題の可能性もあります。尿の様子に変化があるときは、出迎え方の工夫だけで様子を見続けず、受診してください。
注意したいケース
⚠️ うれしょんは叱ってやめさせようとせず、出迎え方の工夫で対処しましょう。急に始まった、挨拶以外でも漏れるといった場合は、気持ちの問題と決めずに受診を。
まとめ
🐶 挨拶のときのお漏らしは興奮や緊張する場面で見られることがあり、姿勢だけで上下関係を読み取ることはできません。
🐶 まずは叱らずに出迎え方を穏やかにし、挨拶以外でも漏れるときは動物病院へ相談するのがおすすめです。
よくある質問
Q. うれしょんは叱れば治りますか?
A. 叱ってやめさせるのはおすすめしません。興奮や緊張する場面で漏れることがあるので、叱られる経験が重なると、かえって緊張が強まることもあります。淡々と片付けて、出迎え方を穏やかにする工夫を続けてください。
Q. うれしょんは自然に治りますか?
A. 若い犬では、成長につれて漏れる場面が減っていくこともありますが、すべてがそうとは限りません。あっさりした出迎え・圧の低い挨拶・挨拶前に排泄できる機会づくりなどで、漏れる場面を減らしてあげてください。急に始まった場合は動物病院へ相談を。
Q. 成犬になってもうれしょんが続きます。
A. 出迎えの工夫を続けても変わらない場合は、挨拶以外の場面でも漏れていないかを確認してください。頻尿・血尿・寝ている間の漏れがあるなら、膀胱炎やホルモン性の尿失禁など体の問題の可能性もあるため、動物病院へ相談しましょう。
関連する行動もチェック
この行動とあわせて見られることが多い行動です。体を低くする・しっぽを低く振るなど、緊張しているときの様子もあわせて確認してみてください。
📚 参考:日本獣医動物行動学会(行動診療を行う動物病院の地域別一覧あり)/AVSAB(米国獣医動物行動学会)Position Statements/AVSAB:Dominance Position Statement
※本記事は一般的な動物行動学の知見に基づく参考情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の体調や行動に不安がある場合は、必ず獣医師にご相談ください。



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