犬が歯をカチカチ鳴らすのは、うれしくて興奮したとき、寒くて震えているとき、他の犬のおしっこの匂いを嗅いだ後、緊張しているときなどによく見られます。一方で、歯周病など口の痛みや、発作など神経の問題でカチカチ鳴らすこともあります。いつ・何の後に鳴らすかと、口臭やよだれ、食べ方の変化から、様子を見てよいか受診したほうがよいかを見分けましょう。
犬が歯をカチカチ鳴らす主な原因と注意点
🐾 興奮・期待:おやつや散歩、遊びの前など、うれしくて気持ちが高ぶったときに。
🐾 寒さ・震え:寒い日やシャンプーの後、体の震えと一緒にあごが震えて。
🐾 匂いを嗅いだ後:特にオス犬がメスの尿の匂いを嗅いだ後に、口をクチャクチャさせながら。
🐾 緊張・ストレス:知らない犬や人に会ったとき、叱られたとき、待たされてイライラしたときに(詳しく)。
🐾 口の中の痛みや違和感:歯周病、口内炎、歯が欠けた、子犬の歯の生え変わりなど。
🐾 発作など神経の問題:顔の震えやぼんやりする様子を伴い、同じパターンで繰り返す。
歯をカチカチカチ……と小刻みに鳴らす動きは、興奮したとき、寒いとき、匂いを嗅いだ後など、いくつかの場面で見られることがあります。おやつや遊びを前にして気持ちが高ぶっているときや、寒さで体が震えるのと一緒にあごが震えるとき。また、特にオス犬がメスの尿の匂いを嗅いだ後に、歯を鳴らしたり口をクチャクチャさせたりすることもあります。ただ、匂いを嗅いだ後に出たからといって、それだけで体に問題がないとは判断できません。歯をカチカチ鳴らす動きには、歯周病や口内炎など口の中の痛み、神経の問題が関わっていることもあるからです。口を触られるのを急に嫌がる・口臭が強くなった・よだれが増えた・食べ方がぎこちない——これらを伴うカチカチは、どんな場面で出ていても受診を考えたいサインです。どの場面で、どのくらいの頻度で鳴らしているか、食べ方やよだれ、反応の変化を記録しておくと、相談するときに役立ちます。繰り返す場合は相談してください。原因を探そうとして、嫌がる口を無理に開けるのは避けましょう。
他の犬に会ったとき・叱られたときのカチカチ
知らない犬や人と向き合ったとき、叱られたとき、苦手な場所で体を触られたときなどに、歯を小さくカチカチ鳴らす犬もいます。こうした場面では、緊張や不安を自分で落ち着けようとしている、「これ以上近づかないで」と控えめに伝えていると考えられることがあります。耳を後ろに倒す、口角を後ろに引く、目をそらす、あくびをするといった様子が一緒に見られることも多いものです。
- 相手の犬や人との距離をあけ、正面から向き合わせない
- 叱っている最中なら声を落とし、いったん場面を切り上げる
- 触られるのを嫌がっているときは、手を止めて様子を見る
- おやつを待たされている、遊びを中断されたなど、イライラ(欲求不満)で出るときは、待つ時間を短くするところから練習する
緊張によるカチカチを叱って止めようとすると、かえって不安が強まることがあります。どんな相手・場面で出るかを覚えておき、無理のない距離から慣らしていきましょう。
子犬・老犬・寝ているときのカチカチ(歯ぎしり)
💬 子犬が歯をカチカチ鳴らす
生後4〜7か月ごろは乳歯から永久歯への生え変わりの時期で、歯ぐきのむずがゆさや違和感から、歯を鳴らしたり口をもぐもぐさせたりすることがあります。かじってよいおもちゃを用意して様子を見ましょう。乳歯が抜けずに残っている、出血が続く、食べにくそうなときは受診してください。
💬 老犬のカチカチが増えた
年齢とともに歯周病や歯のぐらつき、口の中のできものが増えるほか、発作が初めて出ることもあります。口臭、片側だけで噛む、食べこぼしが増えたなどの変化がないか見て、早めに口の中を診てもらいましょう。
💬 寝ているときにカチカチ・ギリギリ鳴らす(歯ぎしり)
眠っている間に口が動き、歯がカチカチ当たったりこすれたりすることがあります。目を覚ますとすぐ止まり、起きているときにふだんどおり食べて過ごせているなら、様子を見てかまわないことが多いでしょう。毎晩のように続く、歯がすり減っている・欠けている、起きても続く、呼んでも反応が鈍いといった場合は、噛み合わせや口の中のトラブル、発作のこともあるので、動画を撮って相談してください。
「寒がっているだけ」と決めつける前に:場面とほかの様子の確認
カチカチには興奮・寒さ・匂い嗅ぎの後・口の痛み・神経の問題など、さまざまな背景があります。「いつ・何の後に」出るかは手がかりになりますが、場面だけで決めずにほかの様子もあわせて見てください。
状況別の読み解き方
💬 おやつの前や興奮した時だけ
気持ちが高ぶっているのかもしれません。口臭やよだれ、食べ方に変わりがないかも、時々見てあげましょう。
💬 他の犬のおしっこを嗅いだ後
匂いを嗅いだ後に見られることがあります。それだけで問題がないとは言えないので、ほかの場面でも出ていないか気にかけておきましょう。
💬 何もない時に頻繁に・食事を嫌がるようになった
歯周病など口の痛みや、神経の問題が関わっていることがあります。早めに受診してください。
飼い主ができる対策
1「いつ鳴らすか」とほかの様子を記録する
おやつや遊びの前、寒いとき、匂いを嗅いだ後など、どんな場面で出るかは手がかりになります。ただ、場面だけで体の問題がないとは判断できません。頻度や食べ方、よだれ、反応の変化もあわせてメモしておき、繰り返す場合は動物病院で相談しましょう。
2匂い嗅ぎの後のカチカチも、ほかの変化とあわせて見る
オス犬がメスの尿の匂いを嗅いだ後に歯を鳴らし、泡っぽいよだれが出ることもあります。匂い嗅ぎの後だから大丈夫と決めつけず、場面と関係なく出る、口を触られるのを嫌がる、ぐったりするといった様子がないか見てあげてください。気になるときは動画を撮っておくと相談しやすくなります。
3興奮のカチカチは落ち着く練習とセットに
おやつや遊びの前に興奮でカチカチが出る子は、気持ちが高ぶりやすいのかもしれません。「オスワリで一呼吸→ごほうび」の落ち着く習慣を挟むと、落ち着いて待てるようになることもあります。
4口の中とにおいをチェックする
頻繁なカチカチには、歯周病・口内炎・歯の破折など口の痛みが隠れていることがあります。口臭・歯茎の赤み・よだれの増加・食べにくそうな様子を確認し、あれば受診を。嫌がるときは無理に口を開けず、見える範囲で確かめましょう。
5震え・ぼーっとするを伴うなら神経系の評価を
カチカチに加えて、顔や体の細かい震え・意識がぼんやりする・繰り返すパターンがある場合は、神経系のトラブル(部分発作など)の可能性もあります。様子を動画に撮って受診してください。
注意したいケース
⚠️ 口を触られるのを急に嫌がる、口臭が強くなった、よだれが増えたといった変化があれば、歯や口の中のトラブルのこともあるので受診を。顔の震えやぼんやりする様子を伴うときは、神経の問題も考えて早めに相談してください。
まとめ
🐶 歯のカチカチは興奮・寒さ・匂い嗅ぎの後に見られることもあれば、口の痛みや神経の問題が関わることもあり、場面だけで判断はできません。
🐶 他の犬に会ったときや叱られたときのカチカチは、緊張のサインのことがあります。叱らずに距離をあけてあげましょう。
🐶 子犬は歯の生え変わり、老犬は歯周病や発作、寝ているときは歯ぎしりのこともあります。
🐶 まずは鳴らす場面と頻度、食べ方やよだれの変化を記録し、繰り返すときは相談するのがおすすめです。
🐶 気になる変化が続く場合は、様子見せず獣医師に相談を
よくある質問
Q. 犬が歯をカチカチ鳴らすのはなぜですか?
A. 興奮しているとき、寒いとき、匂いを嗅いだ後などに見られることがあります。オス犬がメスの匂いを嗅いだ後に鳴らすこともありますが、その場面だからといって問題がないとは言い切れません。頻繁に出る、口臭やよだれを伴うといった場合は、口の痛みや神経の問題も考えて受診を。
Q. 老犬のカチカチが増えました。大丈夫ですか?
A. シニアの頻繁なカチカチは、歯周病や口内炎など口の中の痛み、神経の問題が隠れていることがあります。口を触られるのを嫌がる・口臭・食べ方の変化がないか見て、心当たりがあれば早めに受診してください。
Q. 匂いを嗅いだ後に泡を吹いてカチカチします。病気ですか?
A. 匂いを嗅いだ後に泡っぽいよだれが出てカチカチすることもありますが、それだけで病気かどうかは判断できません。場面と関係なく泡状のよだれが出る、繰り返す、ぐったりするなどの様子があれば、別の原因も考えて受診してください。様子を動画に撮っておくと相談の手がかりになります。
Q. 寝ているときに歯をカチカチ・ギリギリ鳴らします。大丈夫ですか?
A. 眠っている間に口が動いて歯が当たることはあり、起きるとすぐ止まって、ふだんどおり食べて過ごせているなら様子を見てよいことが多いでしょう。毎晩続く、歯がすり減っている・欠けている、起きても続く、呼びかけへの反応が鈍いといった場合は、口の中のトラブルや発作のこともあるので、動画を撮って動物病院に相談してください。
関連する行動もチェック
この行動とあわせて見られることが多い行動です。あわせて読むと、口や体の様子を比べやすくなります。
🐕 この症状が気になる場合は、まず普段との違いや体調を確認し、必要に応じて獣医師へ相談してください。
📚 参考:アニコム損保「犬との暮らし大百科」(獣医師監修・犬の歯周病)/日本獣医動物行動学会(行動診療を行う動物病院の地域別一覧あり)
※本記事は一般的な動物行動学の知見に基づく参考情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の体調や行動に不安がある場合は、必ず獣医師にご相談ください。



コメント