愛犬が自分のしっぽを追いかけて回る理由は?飼い主が知っておくべき注意点や病気の可能性を解説

子犬なら遊びのことが多いですが、頻繁なら退屈やストレスのサインかもしれません。

遊び退屈ストレス⚠ 獣医師への相談推奨

「自分のしっぽを追いかけてぐるぐる回る」——そんな愛犬の様子に、どんな意味があるのか気になったことはありませんか?この記事では、犬の行動学の知見をもとに、この行動の意味と状況別の読み解き方、今日から実践できる具体的な対策、飼い主が知っておきたい注意点を解説します。

「自分のしっぽを追いかけてぐるぐる回る」の意味

子犬が自分のしっぽを「動くおもちゃ」だと思って追いかけ、ぐるぐる回るのは、微笑ましい正常な遊び行動で、成長とともに自然に減っていきます。問題になるのは、成犬が毎日のように長時間繰り返す・呼んでも止められない場合です。この段階では、運動不足や退屈からくるストレス発散行動、さらにエスカレートすると「常同障害(同じ行動を自分の意思で止められなくなる状態で、人の強迫性障害に似たもの)」の可能性が出てきます。実際、獣医行動学の研究では、しっぽ追いはブルテリアやジャーマン・シェパードなど特定の犬種に多く、遺伝的な素因に環境ストレスが加わって発症することが示されています。もうひとつ見逃せないのが、体の問題が原因のケースです。しっぽや肛門まわりの痛み・かゆみ(肛門腺のトラブル、皮膚炎、外傷、神経の異常など)から、気になって追い回していることがあり、この場合はいくら遊びや運動を増やしても解決しません。常同障害と診断する前に、まず体の原因を除外するのが獣医行動診療の原則です。しっぽを実際に噛んで毛が抜ける・血が出るところまで来ていたら、遊びの範囲を明らかに超えたサインです。

「遊び」と決めつける前に:他の原因との見分け方

「かわいい遊び」で片づける前に、切り分けを。しっぽ追いの裏には体の痛み・かゆみや、治療が必要な常同障害が隠れていることがあります。年齢・頻度・体の状態が判断の軸です。

🐕 子犬が時々、しっぽを追って回る

併せて見られること:元気に遊んでいる・成長とともに減る

考えられる原因:正常な遊び行動

→ 心配なし・見守りでOK

🐕 しっぽの付け根や肛門を気にして追う・舐める

併せて見られること:赤み・脱毛・お尻を床に擦る・便の異常

考えられる原因:肛門腺・皮膚・痛みなど体の原因

→ 早めに受診

🐕 成犬が毎日長時間・制止しても止まらない

併せて見られること:留守番が長い・運動不足・環境変化があった

考えられる原因:退屈・ストレスによる発散/常同障害の疑い

→ 運動増強+改善なければ行動診療科へ

🐕 しっぽを噛んで毛が抜ける・血が出る

併せて見られること:呼んでも止まらない・他の常同行動もある

考えられる原因:常同障害の可能性が高い

→ 行動診療科を受診(治療対象)

🐕 特定の犬種(ブルテリア等)で激しく回る

併せて見られること:子犬期から見られる・家系にも

考えられる原因:遺伝的素因のある常同傾向

→ 早めに専門家に相談を

状況別の読み解き方

💬 子犬が時々やっている

正常な遊び。成長とともに自然に減っていきます。

💬 成犬が毎日長時間繰り返す・制止しても止まらない

運動不足や慢性ストレスのサイン。散歩や遊びの時間を増やして様子を見ましょう。

💬 しっぽを実際に噛んで毛が抜けたり血が出ている

常同障害や皮膚トラブルの可能性が高い状態です。

飼い主ができる対策

1まず「年齢と頻度」で正常か問題かを見分ける

子犬が時々やるのは正常な遊びで、心配いりません。成犬が毎日長時間・制止しても止まらないなら、退屈・ストレスか、体の問題か、常同障害を疑う段階です。いつから・1日何回・どんな時に始まるかを記録すると、原因の切り分けと受診に役立ちます。

2しっぽ・お尻まわりに体の異常がないか確認する

追いかける前にしっぽの付け根や肛門を気にする・舐める・噛むなら、肛門腺のトラブル・皮膚炎・痛みなど体の原因の可能性があります。赤み・脱毛・腫れ・便の状態をチェックし、心当たりがあれば受診を。体の問題は運動を増やしても治りません。

3運動量と知的刺激を大幅に増やす

退屈・ストレスが背景なら、有り余るエネルギーの受け皿を作ります。散歩の質(匂い嗅ぎ)を上げ、ノーズワークや知育トイ、引っ張りっこなどで頭と体をしっかり使わせると、しっぽに向かっていた関心が別の活動に移っていきます。

4始まったら叱らず、別の行動に切り替える

叱ったり大騒ぎしたりすると、「回ると注目してもらえる」と学習して強化されることがあります。始まりそうな気配で先回りして名前を呼び、おもちゃや簡単な指示に誘導して、応じたら褒める。「回る以外の選択肢」を増やすのが行動面の基本です。

5ストレス源を洗い出して減らす

常同障害の背景には、慢性的なストレスや葛藤があることが多いものです。留守番の長さ、運動不足、環境の変化、家庭内の緊張など、思い当たるストレス要因を一つずつ見直していきます。安心できる生活リズムそのものが治療の土台になります。

6傷ができる・止められないなら行動診療科へ

しっぽに傷や脱毛ができるほど追う、呼んでも止められない場合は、常同障害として行動療法と、必要に応じた薬(抗うつ薬など)を組み合わせた治療の対象です。体の原因を除外したうえで、獣医行動診療科に動画を持って相談してください。早いほど改善が見込めます。

注意したいケース

⚠️ しっぽに傷ができるほど追う・呼んでも止められない場合は、常同障害や尾の違和感(痛み・かゆみ)の可能性があるため獣医師に相談してください。

まとめ

🐶 子犬なら遊びのことが多いですが、頻繁なら退屈やストレスのサインかもしれません。

🐶 まずは「まず「年齢と頻度」で正常か問題かを見分ける」から始めるのがおすすめです

🐶 気になる変化が続く場合は、様子見せず獣医師に相談を

よくある質問

Q. 犬がしっぽを追いかけて回るのは病気ですか?

A. 子犬が時々やるのは正常な遊びです。ただし成犬が毎日長時間・止められないほど繰り返す場合は、退屈やストレス、常同障害、あるいは体の痛み・かゆみが背景にあることがあります。傷ができるほど追うなら受診してください。

Q. しっぽ追いをやめさせるにはどうすればいいですか?

A. まず体の異常(肛門腺・皮膚・痛み)を受診で除外します。問題がなければ、運動と知的刺激を増やし、始まりそうな気配で別の行動に誘導してください。叱ると「注目される」と学習して逆効果になることがあるので避けましょう。

Q. 常同障害と普通の遊びはどう違いますか?

A. 遊びは気が済めば自分でやめられ、ほかのことにも興味を示します。常同障害は自分の意思で止められず、生活に支障が出るほど繰り返すのが特徴です。人の強迫性障害に似た状態で、行動療法と薬を組み合わせた治療の対象になります。

関連する行動もチェック

この行動とあわせて見られることが多い行動です。組み合わせて読むと、愛犬の気持ちがより正確にわかります。

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📚 参考:日本獣医動物行動学会(行動診療を行う動物病院の地域別一覧あり)VCA Animal Hospitals(犬の常同障害)

※本記事は一般的な動物行動学の知見に基づく参考情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の体調や行動に不安がある場合は、必ず獣医師にご相談ください。

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